TOKYO ~フォーラムとウナギ~
こんにちは!
先日、東京でフォーラムがあり、私の研究を発表する機会がありました。
私は田舎者なので東京の建物の高さやビル風、山手線の混み具合などたくさんの都会ならではのことにいちいちびっくりしてしまいました...
夜ご飯はどうしても行ってみたかったけど、予約が取れなかったウナギ屋さんにぶっつけで行ってみました。
なんと入れました!
ずっと行きたいと夢に見たウナギ屋さんに、ウナギ研究の成果で行けることになったことがとても嬉しかったです‼‼
そこのウナギ屋さんは、ウナギを本当に大事に思っていて、それを発信されています。
うな重と初の肝吸いをいただきました。
うな重のウナギにお箸を入れるとスッと切れて、ご飯とともに口に入れるとフワっとして、本当に本当に美味しかったです。口の中が幸せでいっぱいになりました。
肝吸いは初挑戦でしたが、まったく生臭くなく、ウナギを丸ごと味わえました!
本当に最高でした。
ウナギに感謝です。
翌日。
フォーラムは全て英語で、午前中はグループでのディスカッション、午後は自分の発表でした。
私は、英語を話すことがあまり得意ではないので、ディスカッションは緊張していました。不安で仕方なかったのですが、すぐにグループのメンバーと打ち解けられて楽しくなってきました。
でも、発表役になるというまさかの展開。周りはぺらぺらなのに!
緊張しすぎて何を言ったか覚えてません...。
大変だったし、一人で参加だったので寂しかったけどそのおかげで、いいお友達がたくさんできました☆
午後はいよいよ自分のポスター発表でした。
「ウナギを食べるという食文化を守るために消費者の意識・行動を変える」というテーマで発表しました。
程よい緊張感で臨めました。
たくさんの人に愛されているウナギが絶滅の危機にあること、守るためにどうしていけばいいのかを英語で訴えました。
観客が近くにいたので、話が進むにつれて表情(反応)がどんどん変わっていくのが見えてとても面白かったです。研究は「ストーリーが必要」と今まで何回も言われてきていたので、観客の表情が変わるたびに、そういうことかぁと実感できました。
発表時間は4分で、練習では一度も収まったことがなかったのに、本番はきっちり収めることができました。やっぱり早口になるんだな。私。
多くの人に興味を持ってもらえたと思いますが、
欲を言えば、観客が少なかったので、もっとたくさんの人に聞いてもらいたかったです...。
でも本当にいい機会になりました!
私とたくさんの人をつないでくれたウナギさんありがとう。
新聞投稿の巻
こんにちは!
今日は新聞投稿の話です。
新聞の投稿って読みますか?
ウナギの危機的状況や私からの提言をたくさんの人に伝えるためにやってみました。
字数制限と発行部数を考えて朝日新聞に決めました。
自分の研究を500字の中に収めるのは思っていた以上に難しかったです。
それでも、これ以上削れない!と思うところまでまとめて送りました。
一か月以上たっても連絡が来ず、もう無理だろうと諦めていました...
でも、なんと!忘れていたころに掲載OKというメールがきて、打ち合わせすることに。
そのメールに掲載予定の文章が書いてあったのですが、紙面の関係で編集され、350字くらいまで削られていて...
このままでは自分の伝えたいことが伝わらないと思い、電話での打ち合わせで勇気を出してどうしても入れてほしいフレーズを言ってみまし
一文字も字数に余裕がないとのことでしたが、私の研究について聞いて下さって、別の表現で意味が通るように提案されました。
その表現がピッタリだったのでやはり新聞の編集者の方はすごいです。
実際に載った記事の配置がすごくよくて、ウナギ危機 消費行動見直そう という見出しが飛び込んできて、、
嬉しかった!
私は文章を書くのがすごく苦手で、いつもつまらない表現しか思いつかないので、
たくさんの語彙と表現を持っている編集者の方にすごく憧れますー。
打ち合わせをした時にも私が書いた文章ではイマイチ伝わらなかった部分があって
意味を真逆に取られていたので、、、、もう少し伝わりやすい文章が書けるようにがんばります!
ブログでも意味わからないところがあったらスミマセン(・∀・)
もうちょっと文才ほしいなと思った今日この頃でした。
小学校に行ってきたの巻 ~ウナギのなぞを追って~
こんにちは!お久しぶりです。
消費者の意識を変える施策のひとつで子供向けのものも行おうと思い、小学校4年生国語単元「ウナギのなぞを追って」の補助資料を作成して、小学生に配布してもらうというのを考えていました。
ちなみに私は小学生の時にこの単元を学習してからウナギに興味を持ち始め、今では研究テーマに。
実際に小学校の先生に見てもらうと...
授業をしてみませんかというありがたいお言葉を!
ということで、11月30日に母校で、過去にこの単元を学習し終えた6年生に出前授業をしてきました。(4年生は三学期に学習予定なので。5年生には資料の配布のみ)
まず、この単元を覚えているか聞いてみると
レプトセファルス!
海山!
などの声が。細かい部分まで覚えていて、やはりこの話はとても印象に残るんだなと実感しました。
導入として〇✖クイズを行った後に、自作の補助資料(ウナギのライフサイクル、養殖について、歴史、土用の丑の日等の情報を述べた後、危機的状況を伝えるもの)とスライド(写真や図を入れたもの)を使って話しました。
レプトセファルスや養殖場でウナギが餌に集まっている写真を見て、驚きの声があがり、そして食文化としてのウナギと危機的状況の部分になると、真剣な表情で話を聞いてくれました。
小学生の感想には
・ウナギを大切に食べようと思いました
・絶滅危惧種であることを初めて知りました
・世の中のことを教えてくれてありがとうございました
などが書いてあって、
子供たちは危機的状況について知らなかったけれど授業を通して学ぶことができ、未来のウナギの消費行動を変えるきっかけになったのではないかと思います。
直接、子供たちに話ができてよかったです!
声をかけてくださった母校の先生方やかわいい6年生に本当に感謝です!
ちなみに授業後に写真を撮ったのですが、
私が小学生に「ウナギポーズして」とお願いすると、みんなくねくねした面白いポーズをとってくれました(笑)
最後まで読んでくださりありがとうございました。
次は、新聞投稿の巻です!ドキドキ!
研究のつづき&ウナギあれこれ
◆今後の私の取り組み
ウナギの危機的状況を改善するために、さまざまな研究や取り組みが行われています。
完全養殖の確立に向けた研究や海洋環境の研究、多くの団体、企業による保護活動などの例があります。
しかし私たち消費者は、このような情報に触れる機会が少なく、また知ったとしてもどう行動していいか分かりません。ここが問題なのです。
ウナギを食べるすべての人に、消費行動に対して自分の考えをもってもらうために、私は現状を発信し知ってもらう活動をしています。
その方法として
・課題研究のテーマに設定し発表すること
・新聞投稿(…実施したところ、反響は40代以上が多かったです。)
・未来の消費者 小学生への資料提供
・アンケート結果の公開
・SNSでの発信
◆夢
上記の取り組みを発展させて、さらにはこんな野望を抱いています(笑)
・ウナギの供給の分散化を持ちかけてみる。
コンビニなどの大企業。エシカル消費やSDGsへの取り組みに積極的そうだから…。
・知識の普及
小学4年国語教科書「ウナギのなぞを追って」の学習後に、この話題を取り扱ってもらうために補助資料を作成し、持ちかける。
◆そんな研究中のある日 (悲しい話)
10月のある日ー。
私はのんきに某バラエティー番組を見ていて愕然としました。
その番組内では突然の大食いで人を驚かすコーナーがあり、何度か見たことはありましたが、その回では高級うなぎ店でのうな重“爆食”だったのです。
おいしいから、たくさん食べたいのかもしれませんが、ウナギを大切にする姿にはどうしても見えませんでした。番組を制作した人の中に、ウナギの危機的状況を知っている人はいなかったのでしょうか。
テレビ番組の影響はとても大きく、たくさんの消費者の意識に入り込みます。
しかも、あらゆる世代に人気の番組です。
ウナギを守る研究や活動をしている人の努力を思うと・・・(泣)
◆さいごに
遠く離れたところから日本に流れ着いて、ずっとひとりぼっちで生きているウナギ。
そんな生態を知ったとき、私は食べ物としてのウナギではなく、生き物として健気でかわいく見えました。
多くの人にウナギを身近に感じてもらいたいので、これからも活動します。
読んでいただきありがとうございました。
ウナギの意識調査結果
こんにちは。
9月に実施した『ウナギについての意識調査』は、たくさんのご協力のおかげで609件の回答を得ることができました。本当にありがとうございました。
ここでは、その結果の一部と考察を公開しています。
☆結果発表
◆あなたはウナギ(料理)が好きですか
好き→67.7%
普通→25.1%
嫌い→7.2%
好き、普通と答えた人を合わせると、92.8%も!
ウナギは愛されていますね。
なんと縄文時代の遺跡からウナギの骨が出土しているんです。ウナギは本当に昔から人々にとって身近な存在であったことがわかります。
ウナギの調理方法で一番ポピュラーなのは、蒲焼きですかね。今のようにウナギを開き甘辛いタレをつけて焼くようになったのは江戸時代からだと言われています。江戸の味!ちなみに私は、ウナギのタレご飯が大好きです(笑)
ウナギの価格が高騰している現在、ウナギなしのタレご飯が販売されて話題になりました。(ウナギを焼いた香ばしい風味まで再現しているそうです。)
◆これからもウナギを食べられる環境であって欲しいと思いますか
はい→94.7%
いいえ→5.3%
『はい』と答えた人の理由
日本の食文化であるから。
日本の象徴であるから。
『いいえ』と答えた人の理由
絶滅させてまで食べる必要はないから
とにかく生きていてほしい
などがありました。
質問の中に『食文化』という言葉は使用していなかったのですが、回答にこの言葉を使っている人が多かったです。他の食用の魚には、なかなか文化という言葉を使わないのではないでしょうか。このような背景をもつウナギは日本人にとって特別な存在なのだと思います。
いいえと回答した人も、その理由はウナギを守るためということが分かり、思いは同じだと感じました。
◆よくウナギを食べる季節はいつですか
夏→59% さらにその89%が夏にのみ食べると回答
春、秋、冬→各1~4%
季節関係なく食べる→40.8% (複数回答可のため)
◆夏の土用を意識してウナギを食べますか
はい→46.2%
いいえ→53.8% しかしその35%は夏にしか食べないと回答
この二つの回答から、夏に消費が偏っていることが分かります。土用の丑の日を意識してウナギを食べる理由としては、習慣化している、夏バテ予防、店頭にたくさん並べられているのを見て、などがありました。また、特に土用を意識していない人も、結果として夏によく食べていることから、やはりキャンペーンで店頭にたくさんウナギが並ぶ時期に購買を促されていると思われます。
たくさん並んでいたら買いたくなりますよね。
立派なイベント食です。
でも、それにはリスクが・・・!
スーパーやコンビニエンスストア、チェーン・弁当店では、この期間に合わせて大量にウナギの蒲焼きなどを準備しますが、近年では価格が高騰したことも重なり、売れ残ってしまいました。ある調査では、2.7t廃棄処分されたことが明らかになりました。こんなに希少なウナギが食べられることなく廃棄処分されるなんて、私には耐えられません。
◆ウナギの稚魚(シラスウナギ)の不漁についての報道を知っていますか
知っている→77%
知らない→23%
約50年前は200トン近くの採捕量があったのに対し、2017年の時点では約15.5トンと急激に減少しています。
シラスウナギの漁獲量は年変動があって、全然捕れない年、少し回復する年が繰り返されています。しかし減少していることは変わりありません。
報道では、不漁のニュース→価格の高騰という面ばかりが取り上げられています。しかし、不漁の原因や対処法、回復のために何ができるかは不明のままで、これでは消費者の意識そして行動を変えるきっかけにはなりません。
消費者としては、店頭にウナギがあるのを見て不思議に思ったり、不漁のニュースが頭をよぎったり...こんな経験ありませんか?
◆二ホンウナギが絶滅危惧種であることを知っていますか
知っている→74.5%
知らない→25.5%
2014年にはIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに「絶滅危惧種(EN:絶滅危惧1B類)」として掲載されました。IB類とは、「近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの」のことです。
絶滅危惧種と聞くとパンダやトキなどを想像しますが、これらの動物のように個体数が非常に少ないわけではなく、急激に漁獲量が減っていることが問題になり登録されたのです。
7割以上の人が不漁、絶滅危惧種のニュースを知っていて驚きました。
そしてそれは、この問題が深刻であることと同時に、これだけたくさんの人の意識と行動が変われば、ウナギを救う大きな力となり得るのではないかと思えてきます!
◆ウナギの旬が冬であることを知っていますか
はい→15.4%
いいえ→84.6%
ウナギだけではありませんが、生き物は冬に向かうにつれて栄養を蓄え脂が乗ってきます。人間の体にとってもウナギの栄養分を摂取するのは秋から冬が向いています。
ウナギは栄養価が非常に高いです。(特にビタミンAはずば抜けています!)
また、ウナギで有名な長野県岡谷市(諏訪湖に隣接しているから)では「寒の土用の丑の日」という冬のキャンペーンが普及しています。
夏だけというのは極端なので、季節問わずこのように需要が分散化していくといいなと思います。消費者の方から「季節関係なく食べるよ」というメッセージを伝える方法はないのでしょうか...。
☆まとめ
研究者によると、年間の消費量を10年間半減させればシラスウナギの減少に歯止めがかけられるそうです。しかし消費者はこのような情報や自分たちに何ができるのかを知らず、ウナギを大量にそして安く求めようとしています。これからの時代は、一人ひとりが自分の考えをもって消費行動をすべきで、それが販売や流通を変えられるはずです。
私からの提案は、夏だけでなくウナギを大切に味わって食べることと、食べる回数を減らす努力をすることです。
ウナギは昔から愛されてきた日本の代表的な食文化のひとつで、日本人にとって特別な魚です。私たちが今意識を変えれば、未来にウナギを残せるかもしれません。
一緒にウナギを守りましょう!!
最後まで読んでくださってありがとうございました。アンケートの時にも多くの方に考えを書いて頂き参考になりましたし、とても嬉しかったです!
ご意見、ご感想等をコメントにて送信お願いします!
なお、この研究の続きやウナギにまつわるいろいろ話をまた投稿しますので、ご覧ください!