eelpon’s diary

高校の課題研究 What is the effective way to protect food culture of eating eels by changing consumer's behavior? のテーマで研究しています。  「ウナギについての意識調査」の結果を公開しています。

ウナギの意識調査結果

 

こんにちは。

9月に実施した『ウナギについての意識調査』は、たくさんのご協力のおかげで609件の回答を得ることができました。本当にありがとうございました。

ここでは、その結果の一部と考察を公開しています。

 

 

 ☆結果発表

 

◆あなたはウナギ(料理)が好きですか

                      好き→67.7%

                      普通→25.1%

                      嫌い→7.2%

 

好き、普通と答えた人を合わせると、92.8%も!

ウナギは愛されていますね。

 

 

なんと縄文時代の遺跡からウナギの骨が出土しているんです。ウナギは本当に昔から人々にとって身近な存在であったことがわかります。

 

 

ウナギの調理方法で一番ポピュラーなのは、蒲焼きですかね。今のようにウナギを開き甘辛いタレをつけて焼くようになったのは江戸時代からだと言われています。江戸の味!ちなみに私は、ウナギのタレご飯が大好きです(笑)

 ウナギの価格が高騰している現在、ウナギなしのタレご飯が販売されて話題になりました。(ウナギを焼いた香ばしい風味まで再現しているそうです。)

 

 

 

 

 

  

◆これからもウナギを食べられる環境であって欲しいと思いますか  

                             はい→94.7%

                             いいえ→5.3%

 

 

『はい』と答えた人の理由    

      日本の食文化であるから。

      日本の象徴であるから。

 

 

『いいえ』と答えた人の理由   

    絶滅させてまで食べる必要はないから

    とにかく生きていてほしい

などがありました。

 

 

質問の中に『食文化』という言葉は使用していなかったのですが、回答にこの言葉を使っている人が多かったです。他の食用の魚には、なかなか文化という言葉を使わないのではないでしょうか。このような背景をもつウナギは日本人にとって特別な存在なのだと思います。

 

いいえと回答した人も、その理由はウナギを守るためということが分かり、思いは同じだと感じました。

 

 

 

 

 

 

◆よくウナギを食べる季節はいつですか

 夏→59%  さらにその89%が夏にのみ食べると回答

 春、秋、冬→各1~4%

 季節関係なく食べる→40.8% (複数回答可のため)

 

◆夏の土用を意識してウナギを食べますか

 はい→46.2%

 いいえ→53.8% しかしその35%は夏にしか食べないと回答

 

 

この二つの回答から、夏に消費が偏っていることが分かります。土用の丑の日を意識してウナギを食べる理由としては、習慣化している、夏バテ予防、店頭にたくさん並べられているのを見て、などがありました。また、特に土用を意識していない人も、結果として夏によく食べていることから、やはりキャンペーンで店頭にたくさんウナギが並ぶ時期に購買を促されていると思われます。

 

 

 たくさん並んでいたら買いたくなりますよね。

立派なイベント食です。

でも、それにはリスクが・・・!

 

 

 

スーパーやコンビニエンスストア、チェーン・弁当店では、この期間に合わせて大量にウナギの蒲焼きなどを準備しますが、近年では価格が高騰したことも重なり、売れ残ってしまいました。ある調査では、2.7t廃棄処分されたことが明らかになりました。こんなに希少なウナギが食べられることなく廃棄処分されるなんて、私には耐えられません。

 

 

         

◆ウナギの稚魚(シラスウナギ)の不漁についての報道を知っていますか

                        知っている→77%

                        知らない→23%

 

 

 

 約50年前は200トン近くの採捕量があったのに対し、2017年の時点では約15.5トンと急激に減少しています。

 

 シラスウナギの漁獲量は年変動があって、全然捕れない年、少し回復する年が繰り返されています。しかし減少していることは変わりありません。

 

 

 

報道では、不漁のニュース→価格の高騰という面ばかりが取り上げられています。しかし、不漁の原因や対処法、回復のために何ができるかは不明のままで、これでは消費者の意識そして行動を変えるきっかけにはなりません。

消費者としては、店頭にウナギがあるのを見て不思議に思ったり、不漁のニュースが頭をよぎったり...こんな経験ありませんか?

 

 

 

 

 

◆二ホンウナギが絶滅危惧種であることを知っていますか

                        知っている→74.5%

                        知らない→25.5%

 

 

2014年にはIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに「絶滅危惧種(EN:絶滅危惧1B類)」として掲載されました。IB類とは、「近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの」のことです。

 

 

絶滅危惧種と聞くとパンダやトキなどを想像しますが、これらの動物のように個体数が非常に少ないわけではなく、急激に漁獲量が減っていることが問題になり登録されたのです。

 

 

 

7割以上の人が不漁、絶滅危惧種のニュースを知っていて驚きました。

そしてそれは、この問題が深刻であることと同時に、これだけたくさんの人の意識と行動が変われば、ウナギを救う大きな力となり得るのではないかと思えてきます!

 

 

 

◆ウナギの旬が冬であることを知っていますか

はい→15.4%

いいえ→84.6%

 

ウナギだけではありませんが、生き物は冬に向かうにつれて栄養を蓄え脂が乗ってきます。人間の体にとってもウナギの栄養分を摂取するのは秋から冬が向いています。

ウナギは栄養価が非常に高いです。(特にビタミンAはずば抜けています!)

 

 

 また、ウナギで有名な長野県岡谷市諏訪湖に隣接しているから)では「寒の土用の丑の日」という冬のキャンペーンが普及しています。

 

 

夏だけというのは極端なので、季節問わずこのように需要が分散化していくといいなと思います。消費者の方から「季節関係なく食べるよ」というメッセージを伝える方法はないのでしょうか...。

 

 

 

 

☆まとめ

研究者によると、年間の消費量を10年間半減させればシラスウナギの減少に歯止めがかけられるそうです。しかし消費者はこのような情報や自分たちに何ができるのかを知らず、ウナギを大量にそして安く求めようとしています。これからの時代は、一人ひとりが自分の考えをもって消費行動をすべきで、それが販売や流通を変えられるはずです。

 

私からの提案は、夏だけでなくウナギを大切に味わって食べることと、食べる回数を減らす努力をすることです。

 

ウナギは昔から愛されてきた日本の代表的な食文化のひとつで、日本人にとって特別な魚です。私たちが今意識を変えれば、未来にウナギを残せるかもしれません。

一緒にウナギを守りましょう!!

 

 

 

最後まで読んでくださってありがとうございました。アンケートの時にも多くの方に考えを書いて頂き参考になりましたし、とても嬉しかったです!

 

ご意見、ご感想等をコメントにて送信お願いします!

 

なお、この研究の続きやウナギにまつわるいろいろ話をまた投稿しますので、ご覧ください!